ジオパーク

約4000年前の噴火でできた大室山

ジオパーク

ジオパークは世界遺産などと同様に、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が推し進めているプログラムで、「大地の公園」を意味し、地球を学び、丸ごと楽しむことができる場所をいいます。
伊豆半島は2018年にユネスコ世界ジオパークに認定されました。そのジオパークの中で見所がある場所「ジオサイト」として大室山は選定されています。
大室山の素晴らしい景観や大自然などで「地球の営み」を身近に感じてください。

わたしたちは、伊豆半島ジオパークを応援します。

火山が作った大地

伊東市や伊豆高原のシンボルとも言える大室山は、およそ4000年前の噴火でできたスコリア丘です。底の直径1000m、高さ300mという巨大なプリンのような美しい形は自然の造形なのです。
大室山の噴火は、伊東の大地に様々な変化をあたえました。噴火のさなかに、北東側と南側のふもとの2ヶ所から大量の溶岩が流れ出し、これらの溶岩流が谷間や盆地を埋め、噴火前はでこぼこだったはずの山地をなだらかな高原に変えてしまいました。これが伊豆高原の誕生となったのです。
南東に向かった溶岩流はもっとも量が多く、4kmほどの範囲で海を埋め立て、城ヶ崎海岸がつくられました。噴火の最終段階になって溶岩の粘り気が増し、上記2ヶ所の流出口にフタをするように盛り上がったのが、現在の岩室と大森です。大室山からは大量の火山灰も噴出し、伊豆半島の広い範囲をおおいました。伊東市内の工事現場などの崖でしばしば見られる真っ黒いしましまの地層は、大室山の噴火で降り積もった火山灰なのです。

時空のパズルを読み解く 大室山スコリア丘

大室山は伊豆東部火山群の中で最大のスコリア丘です。約4,000年前の噴火によって、粘り気の弱い溶岩のしぶき(スコリア)や火山弾が火口の周囲に降りつもってできました。毎年行われてきた「山焼き」によって、お椀を伏せたような美しい山の形が保たれており、山全体が国指定の天然記念物となっています。
大室山のふもとから流れ出た大量の溶岩は、伊豆高原や城ヶ崎海岸をつくり出しました。さくらの里では、溶岩トンネル(穴ノ原溶岩洞穴)やスコリアラフトなど、溶岩の不思議な造形を観察することができます。

伊豆半島ジオパークのページより引用

大室山は、伊豆東部火山群の中で最大のスコリア(火山噴出物の一種)丘です。山全体が国の天然記念物の指定を受けているので、保護のため、現在は徒歩での登山は禁止されています。『山焼き』の行事はこの地形を保つためにも行われています。

火口から放出されたスコリアが火口のまわりにたまっていきます。

火口から放出されたスコリアが火口のまわりにたまっていきます。

スコリアがつみ重なって急斜面になると、つみあがったスコリアの一部が不安定になって崩れ始めます。

スコリアがつみ重なって急斜面になると、つみあがったスコリアの一部が不安定になって崩れ始めます。

やがて、噴火が続くと、スコリアがつねに急斜面をころげ落ちる状態となり、プリン状の山が裾を広げていきます。

やがて、噴火が続くと、スコリアがつねに急斜面をころげ落ちる状態となり、プリン状の山が裾を広げていきます。

大室山でわかる伊豆の大地のひみつ